2013年09月25日

子ども被災者支援法パブリックコメントを提出しました。これから子どもを生み育てる世代にも手厚い医療等の支援を、そして自ら考え判断し主体的に放射線防護を行うためのさまざまな見解の情報提供を、など。

被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)に関する意見 本文

福島大学安全安心な教育環境をめざす保護者の会 代表  他17

当会は20116月より放射線量が高い福島大学金谷川キャンパスで学生が学び続けることに不安を感じる保護者、賛同者の会です。  

 事故後、福島大学においては

 「(前略)震災に加えて原発事故の影響により、福島大学、現在自然放射能値より高い値が観測されていますが、315日以降明瞭に減衰しており、開校までにはさらに30分の1程度に減衰し、全く問題なく安全に皆さまをお迎えできることができると考えております。(後略)」(2011325日学長メッセージ)

 「(前略)51日から1年間の大学屋外での被ばく予測量は15.0ミリシーベルトから6.8ミリシーベルト、屋内では2.3ミリシーベルトから1.1ミリシーベルトとなっており、健康被害が発症する被ばく量ではありません。大学構内で最も放射線強度が高いところで2.4マイクロシーベルト/時と419日に文部科学省が屋外活動の制限基準と定めた3.8マイクロシーベルト/時より低い値となっております。(後略)」(同年421日学長メッセージ)

 以上の状況判断の下、201159日に開校されました。

 しかしながら開校時、放射線量は30分の1には下がらず、また、201178月に実施されたキャンパス内除染時に測定した時点では、多くの学生が頻繁に往来、滞在する学生会館前に11.0マイクロシーベルトの地点があることがわかるなど、当初の想定より悪い状況があとになって判明しました。

 その後、2011年から2012年にかけてひろば等の除染が行われましたが、広大な敷地全体の除染は不可能であり、結果として学生たちは未だ国の基準を大きく上回ったキャンパスで被ばくを余儀なくされながら学び、また多くはそうした地域に居住しています。

 福島大学に限らず、そのような環境で現在学び、暮らす若者、また過去に学んだり、居住していた若者に対して子ども被災者支援法で定められている被ばく放射線量の推計・評価が確実にされているとは思えません。また教育機関、自治体で現在被ばくによる健康被害を診断するための定期的な健康診断等も実施されておらず、また今後どのように実施されていくのかまったくわかっていません。将来にわたっての医療的な保障などが全くないのが実情です。

 よって、以下の意見を提出させていただきます。

 【被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)に関する意見】

 全体に対して、「子どもに特に配慮して行う被災者の生活支援」と目的が定められていますが、将来親となり、直接子どもに配慮するべき立場の「子どもを生み育てる世代」への支援施策が欠落しています。すべての施策について、放射線による健康不安を感じ、それに伴い生活上の負担が生じている10代の若者、19歳以上の者にも手厚い支援を保障するための施策を拡充してください。

以下項目ごとに要望いたします。

 ■U「支援対象地域に関する事項」

年間追加被ばく線量1mSvは、原子力利用者・原子力を推進してきた政府と社会との約束事とみなすことができます。また、この法の目的が「被災者の不安の解消」に寄与することであるとしていることから、被災者の不安を解消するために、支援対象地域は国際的な基準および国内的な法令に基づき、年間追加被曝線量1mSv以上の被害者及び地域、またその地域から避難した人を、支援対象にしてください。子どもを生み育てる世代の支援ということから、居住地だけでなく、通学地も対象地域に含めてください。

■V1「汚染状況調査」

放射線モニタリングは、被ばく線量を知る目安となる大切な取り組みです。そのため、モニタリングポストの実態を測定、公表していただきたいと思います。間違っても除染後の測定値を表示するなどで、間違った情報を住民に与えないようにしてください。

■V3(1)医療の確保について

生活習慣病対策等を推進するだけでなく、放射線による健康被害を減じるためにあらゆる予防措置を実施してください。

(2)子どもの就学等の援助、学習等の支援について

 経済的理由だけが就学困難の理由ではありません。また中高大学生についても、放射線による不安、経済的理由から就学困難となった学生に対し、支援を講じてください。

 (3)家庭・学校等における食の安全・および安心の確保について

  内部被曝防護のための最重要な施策です。国民全員に対し、測定、検査などを徹底し、安心な食材を保障してください。また家庭・学校だけでなく、外食産業にも放射性物質の検査を義務付けてください。

 (4)放射線量の低減および生活上の負担の軽減のための地域における取組の支援について

 自治会等が行う放射線量低減のための取り組みに、子どもを生み育てる世代を参加させないよう、基準を設けてください。

 (5)自然体験活動等を通じた心身の健康の保持について

 児童だけでなく、中高生、子どもを生み育てる世代も、低線量地域での心身のリフレッシュなどができるよう支援してください。

 (13)放射線による健康への影響調査、医療の提供等について

 甲状腺検査等必要な健康管理調査を、事故時18歳以下の子どもだけでなく、子どもを生み育てる世代全体を対象に継続的に実施してください。県民健康管理調査において、甲状腺がんの発生は10代後半にも出ています。チェルノブイリ事故後、長期間にわたって、子どもだけでなく、大人のがんの発生率が高くなっていることも報告されています。他の施策も、子どもを生み育てる世代に拡充してください。

 ■V4(4)国民の理解

 国民、とくに子ども・中高生・若者が今回の事故について理解し、自ら放射線防護を主体的に行えるよう、さまざまな見解を紹介しながら、考え、判断できる情報提供をしてください。

その意味で副読本をつくるのであれば、従来の、原子力政策推進のための副読本でなく、考えたり、話し合ったり、判断するための、従来とは全く目的の異なる副読本を作成すること、自由に議論できる土壌をつくることを強く要望します。

<主な具体的取組>全項目について

科学者の主張がさまざまなことから、一つの見解を押し付けず、常にさまざまな研究成果、見解を与え、お互い尊重しながらも慎重に、責任ある判断をしていける土壌をつくる施策としてください。より小さい子どもたちにも、「まだ解明できていない」という真実の立場に立って、慎重に情報を伝えてください。

 ■子ども被災者支援法5条3 「政府は基本法を策定しようとするときは、あらかじめその内容に東京電力原子力事故の影響を受けた地域の住民、当該地域から避難している者等の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする」とされていますが、当該地域でも説明会は1回しか行われておらず、全国に避難した被災者への説明会も東京で1回しか実施されていません。またその2回においても、非常に重要な説明会であるにもかかわらず、告知期間が短く、意志があっても参加できない被災者が多くいました。よって必要な措置が講じられているとは判断できません。ただちに必要な措置を講じてください。

 ■子ども被災者支援法14条 「意見の反映等」についての具体的施策がありません。被災者の意見を反映し、当該内容を定める過程を被災者にとって透明性の高いものとするために必要な具体的措置を講じてください。今回は特に人類史上例のない災害に対しての支援となることから、短い間隔での定期的な評価・改善への意見募集の機会を確保してください。

以上、ご検討何卒、よろしくお願いいたします。

2013年9月23日

 

 

 

posted by 311・≧19 元福島大学保護者有志の会 at 00:47| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月16日

福島大学保護者の会より、事故当時19歳以上だった学生の甲状腺検査についての要望に対する大学からの返答です。先生方ありがとうございました。

 

大学からの許可を得て、ひとつ前の記事の要望書に対する返答を掲載させていただきます。

「要望書のあて先が、学長及び4学類長となっておりましたので、大学執行部としての統一的な見解示すべきであると判断し、学長・役員・4学類長の間で意見交換をさせていただ きました。返信に時間を要したのは、そのような事情からです。ご理解くださ い。以下は、その時の意見交換の内容を私の責任でまとめたものです。 

ご承知のこととは思いますが、要望書にある第12回県民健康管理検討委員会で検討された甲状腺検査結果は、平成2310月から平成263月までに実施する、事故当0歳から18歳の県民を対象とした「先行検査」の平成23年度と24年度の結果です。「先行検査」と位置付けているのは、この期間に甲状腺がんと疑われるケースが検出されたとしても、福島第一原発事故の影響とは考えにくい時期に行われるものだからであると説明されています。(チェルノブイリ原発事故の場合は、事故後45年後に15歳以下の子供に甲状腺がんの発症の増加が認められました。)このことから、県(放射線医学県民健康管理センター)は、今回の検査によるB判定とC判定、及びこれらB・C判定の人を対象とする二次検査における「悪性ないし悪性疑い」のケースは、今回の原発事故の影響によるとは考えにくいものであると述べています。また、上記のことを裏付けるものとして、今回と同じ検査法を用いて行われた青森市・甲府市・長崎市の検査結果におけるB判定C判定の割合が、今回の検査結果とほぼ同様の値であることを示す資料が提出されています(65日開催の第11回県民健康管理調査検討委員会における配付資料2の追加資料「福島県外3県における甲状腺有所見率調査結果」)。

 福島県は、今回の「先行検査」結果を、平成264月からスタートする「本格検査」の結果と比較することにより、放射線の影響の有無を見守っていくという方針を示しています。福島大学は、現在のところ、福島県のこの方針に沿って対応していく予定です。したがって、大学独自に、当時在籍していた学生に対して甲状腺検査を実施することは、現時点では考えておりません。

 ただ、低線量被曝が人体に与える影響については、現在のところ十分に解明されているわけではありません。大学としては、今後とも学生の生活環境をより安全なものにするため、きめ細かな放射線量の測定とそれに基づく除染対策を継続していきます。

 また、現在行われている甲状腺の「先行検査」や今後の「本格検査」に関する学生への情報提供も含め、国や県の方針、その背景となる調査・研究等の進展を注視するとともに、必要に応じて適切な対策を講じていきたいと考えております。

以上

なお、学生への情報提供も含め、必要に応じて適切な対策を講じることの具体的な計画、また放射線量の測定と除染対策の継続についての具体的な計画を追加で質問したことについてのお答は以下でした。

「1.甲状腺検査については、現在県が行っている甲状腺検査について説明するとともに、どうすればその検査結果を知ることができるか、このことに関する問い合わせ先等の情報提供を予定しています。

2.放射線対策については、これまでもご説明した通り、定期的に放射線量を測定しHPに公開すること、面的な除染については福島市の除染計画に合わせて実施すること、部分的に線量の高いところがあれば大学として除去するか、あるいは近づかないように目印を立てること、を考えています。

 

なお、今回提出されました要望書については、甲状腺検査を所掌している県民健康管理課にお伝えしました。大学として独自の検査をする予定はありませんが、このような不安の声が寄せられているということを県にも知ってもらった方が良いと考えたからです。

 

以上」

 

 

 

 

posted by 311・≧19 元福島大学保護者有志の会 at 01:50| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

福島大学保護者の会より大学役員、学類長宛てに事故当時19歳以上だった学生の甲状腺の検査を要望させていただきました。

平成25年8月29日
福島大学学長
福島大学人間発達文化学類長
福島大学行政政策学類長
福島大学経済経営学類長
福島大学共生システム理工学類長

福島大学安全安心な教育環境をめざす保護者の会代表

他17名

要望書

3.11の大震災、原発事故以降、学生の放射線防護対策につきましては、ご配慮をいただき、保護者として感謝申し上げます。キャンパス内の放射線量率の継続的な測定、除染、その他の学生に対する放射線についての種々の取り組みについても感謝の意を表するものであります。
 また、大学として、今回の震災、原発事故に関連する各種研究、地域の復興、地域貢献の活動に対して、公私の別なくご活躍されている先生方のお姿に敬意を表します。

 さて、私どもはこのたび2013年8月20日に実施された第12回県民健康管理検討委員会にて発表された甲状腺検査の結果「悪性または悪性疑いと診断された子どもが44人、そのうち手術を終え、甲状腺がんと確定診断された子どもは18人」という事実を知り、これまでの発表同様、大変ショックを受け、未だかつて感じたことの無いほどの大きな不安を抱いております。市町村別2次検査結果の表でも、福島市の悪性ないし悪性疑い件数は0.02%と通常の甲状腺がん発生数より非常に高いという事実があります。また、この44名の年齢別グラフにおいては、3月11日事故発生当時10代後半だった若者たちの数が際立って多いと認識できます。 
 この原因が福島第一原子力発電所事故に起因する放射線によるものかどうかの判断はまだできないものと推測されますが、原因追及以前に、今求められるのは、数年の年齢差で検査を受ける体制が整えられていない、事故当時18歳以上であった若者の甲状腺検査です。現在福島大学では、そのような若者は4年生、大学院生に限られてしまいますが、早急に彼らの検査ができる体制を整え、検査を実施し、結果を公開していただきたいと強く要望いたします。結果いかんでは卒業生にも検査を受けるように奨める必要もあるかと思います。
検査は甲状腺の触診、超音波検査、血液検査をセットとして実施してください。また原因が放射線に特定できないのであれば、事故当時いた場所に関係なく、全員の検査が望ましいと思われます。
 急を要するものと認識しておりますので、速やかなご判断、対応をお願いいたします。
 以上
posted by 311・≧19 元福島大学保護者有志の会 at 01:18| Comment(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする